生命の兆候か?金星の雲の中に2種類の気体が発見される (1/4ページ)
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金星の雲の中で「バイオシグネチャー」、すなわち生命の痕跡かもしれない2種類の気体が検出されたそうだ。
それは「ホスフィン」と「アンモニア」だ。どちらも微生物の働きによって作られるため、金星の雲の中に生命が存在する可能性を示唆している。
この発見は、イギリスで開催された全国天文学会議(National Astronomy Meeting)で、それぞれ独立した研究チームによって発表された。
今のところホスフィンとアンモニアの存在は確定しておらず、それが生命によって作られたと決まったわけでもない。それでも過酷な金星に生命が存在するかもしれないとの期待を高めてくれる新発見だ。
・地獄のような環境の金星に生命の痕跡が?
金星の表面は450度にも達し、鉛が溶けるほどに熱い。しかも大気圧は地球の90倍で、硫酸の雲まで漂っている。そんな地獄のような惑星に生命が存在できるとは、とてもじゃないが思えないだろう。
だが実は、ちょっとした盲点がある。それは金星の空だ。高度50kmの上空では、温度も気圧も地球のそれに似たものとなり、タフな微生物なら生存できるかもしれない。
インペリアル・カレッジ・ロンドンの天体物理学者デイブ・クレメンツ博士はイギリスで開催された全国天文学会議(National Astronomy Meeting)学会でこう説明したという。
かつて温暖で湿潤だった金星で温暖化が暴走した結果、生命は唯一残された雲というニッチで生き残るよう進化した可能性があります(クレメンツ博士)2020年、金星に「ホスフィン」という気体が存在するらしいことが明らかになった。