帰ってきた言葉のタイムカプセル。自分の言葉が導いた選択と別れ【海のはじまり#9】 (1/3ページ)

※このコラムは『海のはじまり』9話までのネタバレを含んでいます。
■突然変わった2人の関係
順調に交際を続けいてたはずの夏(目黒蓮)と弥生(有村架純)。しかし、そこに突如、夏の子ども・海(泉谷星奈)が現れたことで、二人の関係が一気に変化しました。
夏の中では優先順位の一番が海になり、弥生と二人で食べる自炊の献立も、夏の目線の先には海がいる……。出かけるのも夏と弥生の真ん中には海がいて、その行き先も子どもありき。
夏からの「夕飯を食べよう」との誘いには、二人きりだと喜び勇んで、行きたい店を提案したものの、実は海も一緒で……子どもがいることで行きたい場所にも行けない。何より夏の目線の先には弥生がいない。
海のことは大好きだけど、大好きな夏との関係が大きく変わり、気づけば知らず知らずのうちにたくさんの無理をして、弥生の心もパンク寸前になっていました。
■夏が本音を言うくらい追い込まれた状況
夏と弥生の出会いは、仕事がきっかけ。取引先として仕事で関わり、お互いの良いところを少しずつ見つけながら気づけば恋心が生まれていました。子どもが大好きな弥生は「いつか二人の子どもを」と夢見ながら交際を続けてきた中での、青天の霹靂のような海の登場。
弥生の変化に気づきながら見て見ぬふりをしてきた夏も、そろそろ限界に気がつき、弥生に本音を問いかけます。
「子どもがいるって知って、最初は面倒だと思った。自分もまだ弥生さんと二人でいたかった。でも今は海ちゃんがすごく大切。弥生さんが母親になってくれたらうれしいし、正直楽だと思った。一人で親になるの不安だったから……弥生さんの辛さには気がついていたけれど、無視して自分の思い通りにしようとしてた」
優しすぎてお互いの本音を隠し続けていた二人。あれだけ本音を言えない夏が、ここまで自分の気持ちを話すほどの状況ということに、弥生がどれだけ追い込まれてしまっていたかを感じ取れます。しかし弥生の中ではまだ答えが出ませんでした。