大河「べらぼう」繁盛しても地獄の吉原。五代目・瀬川花魁(小芝風花)の運命を左右した3冊の本【後編】 (2/6ページ)
『籬の花』(1775年)
蔦屋が出版した最初の吉原細見 wiki
吉原では、位の高い花魁は客との「初会」は口をきかず眺めるだけというしきたりがあるものの、盲人の鳥山検校は瀬川の姿を眺めることはできません。そこで瀬川は彼がプレゼントしてくれた本の中から1冊を読んできかせようというもてなしを提案します。
「しきたりに反する」という鳥山検校に「花魁の姿を楽しむのが初会。『声』を楽しんでなんの罰がありましょう」と、実に機転の効いた男前な返事をします。
瀬川が手に取ったのは、蔦重の商売敵で偽版罪で処罰された鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)が新たに出版した青本(※)『金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)』で、作者・恋川春町は、狂歌師、黄表紙作者、浮世絵師として活躍した多才な人物でした。
※青本:表紙が青(もえぎ色)で浄瑠璃・歌舞伎・軍記物などを翻案・簡略化したもの。