大河『べらぼう』蔦屋重三郎・瀬川・鳥山検校、それぞれの「夢噺」と「苦悩」を回想しつつ考察【前編】 (7/8ページ)
検校には「妻」としてというよりも、どうしても喋り方や接し方が「花魁」として接してしまうくせが抜けないように感じてしまいます。
以前、蔦重が浄瑠璃の元締めである検校宅に、大人気の富本午之助の「豊前太夫」(寛一郎)襲名の件を願いに訪れた際、瀬川は蔦重の願いを叶えてあげたいと検校に口添えします。
蔦重の仕事を助けるためなら常に全力になる瀬川。検校は「そなたの望むことは全て叶えると決めた」と瀬川の夢(であり蔦重の夢)を叶えてあげました。
「瀬以は、ほんに幸せ者でございます」というお礼の言葉は、検校にとっては虚しく寂しいものに響いたのではないでしょか。
「見えていない目でそんな瀬以を射貫くように見つめる」鳥山検校に対し、「怖い」「静かな嫉妬」「見透かされている」という声は多かったようです。
本心を察知されてしまう瀬以と鋭い鳥山検校 NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
確かにそういう印象もあるのですが、鳥山検校の夢は、妻となった瀬以の丁寧なお礼の言葉よりも「蔦重と会話が弾んでいるときのようなキャッキャッとはしゃぐ喜びの声を聞く」ことなのではないか……そんな風に思うやりとりでした。