【べらぼう】史実では異なる佐野政言の切腹。世直大明神の「辞世の句」や社会的影響を紹介 (2/7ページ)
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
『田沼実秘録』や『佐野田沼始末』などの記録では、佐野政言が切腹する様子が描かれていました。
切腹と言えば文字通り「自分の腹を切って絶命する」刑罰ですが、当時は形式的なものとなっており、実際に腹を切ることはほとんどなかったそうです。
切腹人(受刑者)が三方に置かれた木刀または扇子に手を伸ばしたところで、介錯人(斬首執行人)が首を斬るのが通例となっていました。
これは刃物を手にとらせることで恐怖心からパニックを起こしたり、逃亡を図るなど暴挙に及んだりするリスクを考慮したのでしょう。
しかし政言は切腹の当日、真剣で腹を切らせるようにしつこく要求したそうです。
「武士が命を絶つ時は、この手で腹を切りとう存ずる」とか何とか。
どうせ死ぬなら同じこととは思いますが、もしかしたら自分の手で意知を斬り切れなかった(トドメを刺せなかった)憤懣を、自身にぶつけたかったのかも知れません。
「……佐野はあぁ申しておりますが……」
「申し分は解らぬでもないし、武士として至極もっともではあるが……」
万が一、刃物を手にした政言が暴れ出したら、対処次第では自分たちも罰せられかねません。
※3月24日の刃傷沙汰においては、関係者らがそれぞれ処分されています。
それでもあまりにうるさかったのか、当局は政言の望みを叶えてやることにしました。
