大河『べらぼう』過去回シーンが伏線に…凄惨な過去の亡霊に苦しむ歌麿、救えぬ蔦重【前編】 (4/7ページ)
北尾重政・勝川春章筆『青楼美人合姿鏡』(文化遺産オンライン)
以前、蔦重が「女郎の錦絵」を企画した時、スポンサーになる亡八たちが「売れている絵師を使え。歌麿は無名だからだめ」と言われ、歌麿を外して北尾 政演(古川雄大)にしたことがありました。
その時、重政だけは「俺ゃ歌にやってほしかったけどね」と言っていたのを覚えていますか。
「俺ゃ駆け出しの奴の絵は山ほど見てきたから、そいつらが落ち着く先の画風も大体は読めんだよ。けど、歌はからきし読めねえんだ。そうなると見たくなんじゃない?あいつが、人真似の絵をやめたらどういう絵を描くのかって」
これは、生涯でさまざまな弟子を輩出し若手の育成に熱心だった重政らしい「目利き」の言葉だと、印象に残りましたが、今回の伏線でしたね。
「枕絵」が悲惨な過去を鮮やかに呼び覚まし苦しめる蔦重は、歌麿に新しい本の絵を依頼し、さらに「自分自身の絵を描くよう」と注文を付けます。そして、提案したのは『枕絵』でした。性行為や性風俗を描いた絵画のことで「春画」と呼ぶようになったのは、明治時代から。江戸時代は「枕絵」「艶本」「笑い絵」などと呼ばれて、親しまれていました。