「べらぼう」終わらない悲劇、次に犠牲になるのは?殺された母子と壮絶な将軍の最期…二つの無念の死【後編】 (3/8ページ)
つまるところ、ツケを回されるのは、私らみたいな地べたを這いつくばってるやつ」
吉原を足抜けしてから、貧困の中で苦労してきたふくは、蔦重よりも世の中の不条理さが肌身に染みているせいか、時々、蔦重が思わず黙りこむような鋭い意見を放ちます。
以前、田沼意知(宮沢氷魚)を斬った佐野政言(矢本悠馬)を「佐野大明神」と崇める風潮に苦言を呈した蔦重に「拝んで米の値が下がるなら、いくらだって佐野って人を拝むよ」とシビアな意見を言っていましたね。
極度の生活苦と貧困で疲れ果てた人々は、安易な陰謀論に乗り真実から遠ざかってしまう。けれども、食べるものがなければ死んでしまう。おかしいと思っても米が手に入るなら、陰謀でも何でも「佐野を拝む」というふくの言葉は、リアルに刺さりました。
そんなふくだからこそ、同じ貧困に苦しむ同胞を見捨てることはできず、自分は他の人よりも少しは恵まれているからと、温かい気持ちで乳を分けるという行為ができたのでしょう。