「べらぼう」胸に息づく平賀源内のあの言葉!怒りで暴徒と化す ”新之助の義” に粋に訴えた ”蔦重の義”【後編】 (2/6ページ)
怒りで暴徒と化す ”新之助の義” に粋に訴えた ”蔦重の義”
平賀源内の言葉が胸に息づいている蔦重の義「米を売らないほうが儲かるから米屋は売らない。それを罰するほうも共に儲けているから罰しない。そんな己の金のことしか考えない田沼の作ったこの世に(妻子は)殺された」
新之助のこのセリフは、まるで令和の今を表しているようで、いつもタイムリーな森下脚本には驚かされます。
そして、新之助は、一方的な情報(政治の失敗は「すべて田沼のせい」)しか耳に入らない世界で生きているため、「義憤にかられて打ち壊しをすること」が己の「義」と考えてしまうのでした。
真実は、田沼は“お救い米”を配るために奔走→“田沼憎し”しか頭にない松平定信(井上祐貴)が米の調達を遅らせる→蔦重の配った読売(瓦版)で“20日に米が届く”と信じていた民衆は激怒し、奉行所に詰めかける→突然男が「役人が米がないなら犬を食えと言った」と叫んで怒りを煽る→そのデマを信じた民衆がさらにエキサイト→打ち壊しへと猛進
……ほかの地域で打ち壊しが起こっていることもあり、民衆は「いざ打ち壊しへ!」と盛り上がります。このムーブは止めようもないと思った蔦重。一度「これが正義!」と思い込んだ人の「義」は、「それはおかしい」と諌める声は耳に入らないまま、大きな渦となり破滅の方向に「それが正しい」と突き進んでいきます。
そんな新之助の姿を見て、蔦重はかつて平賀源内(安田顕)が胸に手を当てて語った言葉を思い出しました。「自らの思いによってのみ、我が心のままに生きる。わがままに生きることを自由に生きるって言うのよ」という言葉。
