「べらぼう」胸に息づく平賀源内のあの言葉!怒りで暴徒と化す ”新之助の義” に粋に訴えた ”蔦重の義”【後編】 (5/6ページ)
「カラッといきてぇじゃねぇですか、江戸の打ちこわしは」に「喧嘩だな。打ち壊しが喧嘩なら江戸の華で済む」と返します。
理性のないただの暴徒と化した打ち壊しでは、被害者や死人が出てしまう。けれども、主義主張を書いた“のぼり”を持って米屋に喧嘩を売るのであれば、喧嘩両成敗の江戸のこと、罪も軽くて済みます。「文字と言葉を使って訴える」この提案は新之助はもちろん、長屋の人々にも伝わりました。
自分に暴力を振るう長屋の連中にも深々と頭を下げるという成長ぶりを見せた蔦重。大店の主人らしい貫禄が身についてきましたが、若い頃の源内の言葉をしっかり胸に抱いている。プロデューサーとして痛快な仕事の進め方は数多く見てきましたが、今までの中で一番、「人間として」かっこよかったですよね。
そんな「蔦重の義」は、自分の身を慮って体を張ってやってくれていることとすぐに理解する新之助は、やはり「理」を持っていたとうれしく感じたシーンです。
「金を視ること勿れ。すべての民を見よ。世をたださんとして、我々うちこわすべし」
新之助が筆で書いたこの言葉こそ、真の「新之助の義」を表したもの。