江戸文学『東海道中膝栗毛』実は男同士の駆け落ちもの?タイトルの意味や内容をわかりやすく紹介 (5/5ページ)
芳幾筆
東海道(江戸〜京都方面)の道中記だから東海道中は分かります。いっぽう膝栗毛とは何でしょうか。
栗毛とは栗毛馬(一般的にイメージされる毛並みの馬)を指します。馬に乗れる身分ではないから、自分の膝を馬代わりに使う、徒歩旅行の言い換えです。
要するに『東海道中膝栗毛』とは「東海道を徒歩旅行してみた」という意味になります。
ちなみに最初からこのタイトルではなく、出版時期によって様々でした。
『浮世道中膝栗毛』品川〜箱根 『道中膝栗毛』箱根〜岡部 『東海道中膝栗毛』岡部〜新居 『東海道中膝栗毛』新居〜桑名 『東海道中膝栗毛』桑名〜伊勢山田 『東海道中膝栗毛』伏見・京都 『東海道中膝栗毛』京都② 『東海道中膝栗毛』大坂 『東海道中膝栗毛』回想・旅立ち編 『金比羅参詣 続膝栗毛』金比羅参り 『宮嶋参詣 続膝栗毛』安芸の宮島 『木曾街道 続膝栗毛』木曽路① 『木蘇街道 続膝栗毛』木曽路② 『木曾街道 続膝栗毛』木曽路③ 『木曾街道 続膝栗毛』木曽路④ 『岐曾続膝栗毛』木曽路⑤ 『従木曾路善光寺道 続膝栗毛』善光寺① 『続膝栗毛』善光寺② 『続膝栗毛』草津温泉 『続膝栗毛』中山道を江戸へ 『続膝栗毛』江戸に帰着大きく分けると大坂までの『道中膝栗毛』系と、大坂からの『続膝栗毛』系と言えるでしょう。
終わりに実は江戸からまた日光東照宮へと旅に出る『続々膝栗毛』も出版されましたが、十返舎一九が亡くなったので未完となってしまいました。
それ以降、別の戯作者が膝栗毛シリーズを引き継がなかったのは、十返舎一九に対するリスペクトでしょうか。
もし十返舎一九が長寿だったら、弥次喜多コンビは蝦夷地あるいは天竺(インド)まで行ったかも知れませんね。
※参考文献:
小学館国語辞典編集部『日本国語大辞典 第11巻』小学館、2001年11月 仙洞隠士 訳『東海道中膝栗毛』国立国会図書館デジタルコレクション日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan