【べらぼう】智恵内子(水樹奈々)だけじゃない、江戸・天明期に活躍した女性狂歌師たち (8/8ページ)
待ちつけて まつ間ほどなく かじけなば
今日ふる雪よ いかがつもらん※婆々阿(巻第六)
【歌意】そんなに待っていないけど、早くも手足が悴(かじか)んでしまう。今日の雪はどのくらい積もるだろうか。
【補足】雪の降る中、待ちぼうけ。果たして今日は、どのくらい待たされるのでしょうね。
羽をならべ 枝をつらねて 長まくら
長き千とせも 二人して経よ※婆々阿(巻第九)
【歌意】新婚のお二人さんへ。比翼の鳥・連理の枝となりますように。
【補足】どちらも一心同体の喩え。末永く幸せであって欲しいですね。
持たぬゆへ へらず口とは 思へども
金があるなら 人にやりたき※婆々阿(巻第十ニ)
【歌意】実際には持ってないから、言ってもしょうがないとは思うけど、金に余裕があるなら人にあげたいと思っている。
【補足】お金を出さないのはケチだからじゃなくて、本当に持っていないんです。なぜ持っていないか(なくなった理由)は、聞かないで下さい。
終わりに今回は大田南畝選『狂歌才蔵集』より、女流狂歌師たちの作品を紹介してきました。
ちなみに、我らが蔦重も「蔦から丸(つたの からまる。唐丸)」名義で一首寄せています。
髪それば 格別目だつ 耳のたぶ
目出度くのする 米の数かな※蔦から丸
【歌意】髪(もみあげ)を剃ると、福耳が一際目立つものだ。米を何粒乗せられるだろうか。
【補足】耳たぶに米粒が多く乗るほどめでたいそうで、蔦重の耳には何粒乗ったのでしょうね。
息苦しい世の中を、笑いとユーモアでしたたかに生き抜いた狂歌師たち。他にもたくさんの狂歌が伝わっているので、また紹介したいと思います。
※参考文献:
中野三敏ら校注『新日本古典文学大系84 寝惚先生文集 狂歌才蔵集 四方のあか』岩波書店、1993年7月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan