『べらぼう』闇堕ち寸前の蔦重を救った鶴屋と北尾重政──急転直下する森下脚本の今後の行方は?【後編】 (5/8ページ)
皆、蔦重の暴走に腹は立てたものの、蔦重の瞬発力・熱い気持ち・行動力で助けられたこともあった……ということを思い出したのでしょう。
そして、地本屋総出で、分厚い草案を次々とお上に持ち込むシーンは面白かった。
特に、鱗の旦那が「お指図を」といいつつ、分厚い草案を提出してから、ニヤリと口元で笑うところは、さすが!一度お縄になっているだけに、肝が座っている。
「たかがお上のくせに。本作りをやめさせるなんざ、やぼなこと言いやがって」という思いも伝わってきます。
平蔵を上手に使うあたりはいつもの蔦重が戻ってきたさらに、蔦重は長谷川平蔵(中村隼人)を吉原に招きもてなします。平蔵は、倹約倹約の世の中で街では無法者が暴れるようになり、彼らを更生させる「人足寄場」の担当を定信に押し付けらていました。
前回、定信に対し家臣が「幕府の役付きになると持ち出しが多く誰もやりたがらない」と訴えていましたね。平蔵も自分の持ち出しが多く懐事情は大変な様子。それを嗅ぎつけた蔦重は、昔平蔵を騙して「本を作るからと」入銀させた50両を「返金」します。
このお金はあの時、食うや食わずで死にそうな目になっていた二文字屋の女郎たちの「米代」にしたと打ち明け、当時の女将きく(かたせ莉乃)と女将を継いだ当時の女郎はま(千鳥/中島瑠菜)が平蔵の座敷に登場し、「おかげで生き延びた」と挨拶に来ます。
河岸女郎で、飢えていて、朝顔から弁当を譲られて貪り食べていた千鳥がお女将の後継となり生き延びていたのが感慨深かったですね。