『べらぼう』蔦重、定信、京伝、歌麿…それぞれの“尽きせぬ欲”とは?その「欲」から始まる新展開【前編】 (3/7ページ)

Japaaan

『箱入娘面屋人魚』京傳 作 国立国会図書館,デジタルコレクションhttps://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100394991/3?ln=ja

そんなつまらない世の中にする規制をした張本人、松平定信(井上祐貴)は、家臣に「人は正しく行きたいとは思っていない。楽しく行きたいと思っている」「倹約をもっと緩めてほしい」といろいろ忠告されるも、「いや、倹約が足らぬ!!」と、さらに規制に猛進。

長谷川平蔵宣(中村隼人)や家臣らが、そんな定信の言葉を聞いて「ああ、あかん」という表情をしたのが印象的でした。

倹約のため楽しみを奪う政策で自分の楽しみも失う

“己が正義”と倹約に突き進む“欲”がますます加速する定信。家臣に最近の黄表紙本を並べられ、自分が厳しく規制した内容通りになっていることを確認しながらも、ぱらぱらとページをめくりな憂鬱な表情。

規制命令通りの内容になった思いつつ、個人的には筋金入りの黄表紙ファンなだけに、以前の面白さは無くなったと感じたでしょう。

けれども、立場上、もっとワクワクするような面白い黄表紙が読みたいという思いを優先させるわけにはいきません。

家臣に「殿のお望みの通りになっておりますよ」と言われ、「まこと、良い流れであるが」と言葉を飲み込む定信の複雑そうな顔が印象的でした。

以前、黄表紙に自分のことが描かれて誉められている(勘違いですが)と、声を弾ませ「少しくらい、危ない内容のほうが黄表紙は面白いのだ」と言って目を輝かせていたことを思い出すと、ちょっとかわいそうな気も。

「庶民の楽しみを奪う=自分が好きな文化もつまらなくなる」……ということには気がついたのでしょうけれども。

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