『べらぼう』蔦重と歌麿。二人の“息子”を大きな愛情で包んで抱きしめる、無敵の「おっかさん」【後編】 (2/8ページ)
歌麿の変化を見つめしっかり寄り添う「おっかさん」の愛情
耕書堂で手代として働く滝沢瑣吉(滝沢馬琴/津田健次郎)の、「お主は男色か?」の問いに動じることもなく「俺は“好きな人”と“それ以外”で分けてるもんでさ。」と返したこの歌麿のセリフは、知性が感じられ、率直で人の心を打つ言葉でした。
けれども、つよは“内心歌麿は傷ついたのでは?”と心配し、歌麿を訪ねます。
歌麿が暮らす家は、もとは鳥山石燕(片岡鶴太郎)の家。庭に咲く様々な植物、丸窓、絵の道具、襖に描かれた植物の絵……。明るい陽光に包まれた庭と縁側の“光”の部分と、暗い部屋の中の“影”のコントラストが強く、まるで額に収まった一幅の絵のように美しい構図が印象的です。
縁側で黙々と握り飯をほおばる歌麿を、返答がうまかったよと褒めながらも「それでいいのかい」と言います。微笑んでいた歌麿の表情が変わったのは「気がついていたんだな」と思ったからでしょうか。
「このままじゃあの子(蔦重)は一生、これっぽちもあんたの気持ちに気付かない。あんたはそれでいいのか」と、非常にストレートに率直に歌麿に問いかけます。