『べらぼう』招かれざる客は”蔦重の子供”…唯一無二の存在ではなくなった歌麿の決別【後編】 (8/9ページ)
今までの蔦重は、いつも「いい本を作りたい」「世の中の人を喜ばせるような作品を作りたい」と作品作りにこだわり、源内に言われた「書で世を耕す」ことに励んできたはず。
けれども、蔦重は店が、ていさんが、子供が……と、自分が抱えた個人的な事情を全面に持ち出しました。しかも、本来は絵師に承諾を受けるのが先なのに、歌麿には甘えてもいいという気持ちもあったのか、あまりにもないがしろにしてしまいました。
蔦重と二人でいい作品を世に残したい、まるでせみの抜け殻のようにきれいなものが残せればいいという歌麿の思いは伝わらず、蔦重は自分の店や妻子を守りたいという気持ちのほうが勝っている。絶望しかありません。
「この揃い物描き終わったら、もう蔦重とは終わりにします」
と決意した歌麿。
ドラマでは、長い間の付き合いだった蔦重と歌麿。公式によると10月30日をもって撮影が終了したそうです。最初は若さとやる気でキラキラ輝いていた蔦重も、白髪頭で痩せ、落ち着いた日本橋の書店の主人という貫禄と歳を重ねた風貌に変わっています。これを演じ分けた横浜流星さんも、すごいですね。
今度、二人の間はどう変化していくのでしょうか。森下脚本がどう描くのか最後まで目が離せませんね。