『べらぼう』招かれざる客は”蔦重の子供”…唯一無二の存在ではなくなった歌麿の決別【後編】 (4/9ページ)
万次郎の聡明さに、何かを見出したようにもみえました。だから養子に迎えたのだと思います。
歌麿に「絵を描いて欲しい」と頼む西村屋。蔦重との関係があるので受けられないと断る歌麿に、「歌麿の絵の大ファン」だという万次郎が、自分のアイデアを書き溜めた紙を差し出します。
そこには、火消しや鳶職などの江戸の「イケメン」を集めた画集、カラーでは当たり前なのであえて墨だけにした錦絵など、おもしろいアイデアが。歌麿も「これはおもしろい」と思ったようです。
確かに、錦絵は女性ばかりなので、イケメン大特集は売れそうですね。江戸では「男色」も流行っていたそうですし……。
歌麿は、万次郎の「蔦重のところだけでは、画風が狭まってしまうのでは」という言葉と、西村屋の「本来なら、蔦重の紋よりも歌麿先生の名前のほうが上に配置さえるべき。長い付き合いをいいことに、都合よく扱われてるとこもあんじゃございませんかね。」という猜疑心を植え付けるような言葉に影響を受けたようです。
このへんは、ずっと蔦重を恨んでいる西村屋らしい言葉でしたね。
歌麿は「今の自分があるのは蔦重のおかげ」と断ったものの、動揺している様子が見て取れました。