和田竜 12年ぶり新作『最後の一色』怪物武者・一色五郎の武勇伝と非業の最期をたどる (1/4ページ)
戦国小説『のぼうの城』『忍びの国』『村上海賊の娘』等で知られる和田竜が、12年ぶりに新作をリリースしました。
その名も『最後の一色』。織田信長さえ認めた戦国最後の怪物武者・一色五郎(いっしき ごろう)が大暴れ。乱世を駆け抜けたその先に、どんな結末が待っているのでしょうか。
今回はそんな一色五郎を紹介。小説『最後の一色』を楽しむ参考にどうぞ。
戦国乱世を駆け抜けた一色五郎の生涯一色五郎と名乗る戦国武将は複数名おり、本作の主人公である一色五郎は一色義定(よしさだ。又の名を義忠?)ではないかと考えられています。
この義定は江戸時代の軍記物語『一色軍記』にしか記録がなく、戦国時代の一次史料には名前が出てきません。
よって架空の人物であるとも言われていますが、諸系図には名前が記されているため、その存在が言い伝えられてきた可能性もあります。
存否さえ諸説入り乱れる謎の人物であり、今後の究明に期待しましょう。
五郎は丹後国守護職の一色義道(よしみち)または一色義員(よしかず)の子と言われ、父と共に織田信長の丹後侵攻を迎撃。優れた武勇を発揮して、織田の将・長岡藤孝(ふじたか。細川幽斎)を撃退したと言います。
しかし織田との対立が続く天正7年(1579年)。父が中山幸兵衛(こうべゑ。沼田勘解由)に裏切られ、丹後中山城(京都府舞鶴市)で自害に追い込まれてしまいました。
五郎は一色の家督と守護職を継承。残党を率いて弓木城(ゆみのきじょう。京都府与謝野町)に立て籠もり、なおも抗戦を続けます。
弓木城は鎌倉時代末期に稲富氏が築いた堅牢な山城で、五郎は砲術に長けた稲富祐直(いなどめ/いなとみ すけなお)ら鉄砲隊と共に、長岡勢をたびたび撃退しました。
攻めあぐねた藤孝は、明智光秀の助言により五郎と和睦。
