「べらぼう」“覚醒の上様”を巻き込む蔦重最大の大戯け!そしてオタク全開の定信との別れを考察【前編】 (3/8ページ)
けれど、「これが大河ドラマだ!」とばかりに、“史実が重要論”に対して挑戦的な「戯け」をみせてくれた森下氏の脚本のほうが、冴え渡っていたと思います。
なんといっても、このドラマは「〜蔦重栄華乃夢噺〜」ですから。
それにしても、能好きで人を操り悪事を働く傀儡師・一橋治済と、能役者・斎藤十郎兵衛の二人が生き写しで、治済を十郎兵衛とすり替えてしまう……とは、なんともべらぼうな脚本ですね。
一橋治済と瓜二つの能役者・斎藤十郎兵衛 NHK大河「べらぼう」公式サイトより
蔦重のDNAを受け継いだ「みの吉」のアイデア治済が祭りの騒ぎに乗じ定信の家臣らを毒殺、裏切った大崎(映美くらら)も毒殺、耕書堂の手代たちも毒殺しかけたため、店は休業、皆に閉じこもるように命じた蔦重。
“正体不明の悪党”を恐れた手代たちは、店を辞めたいと次々言い出します。そんな店のピンチを救ったのはみの吉(中川 翼)でした。
自身も毒に苦しみながら、床の中から「うっかり毒饅頭、くわねぇですかね、そいつ……仕掛けたやつがぽっくりっておもしろくねぇですか?」と、呟きます。
毒饅頭の仇は毒饅頭で討つ。苦しみながらも、「そう来たか!」なアイデアを捻り出す“本屋魂”を持つみの吉に感心する場面でした。