「べらぼう」オタクぶり全開!松平定信の“蔦屋耕書堂は神々の集う神殿”に泣き笑い【後編】 (6/7ページ)
苦労してさまざまな作品をこの店から世に出してきた蔦重もプロデューサー、書店主冥利に尽きる言葉と感じたのではないでしょうか。
「あのこと(春町の自死)は余の祭り事の中で唯一の不覚だった。」
「上がったタコを許し、笑うことができればすべてがちがった」と後悔の気持ちを語る定信。
その真摯な定信の言葉で、蔦重のなかに凍っていたものが氷解したのかもしれません。
「“写楽プロジェクト”は春町の供養のつもりでした。春町をそそのかし、でっけえ凧をあげさせたのは自分です」という蔦重。
しばし無言で店内に貼ってある本名の「恋川春町」の名前を見つめる二人。「ご一緒できてようございました。」と頭を下げる蔦重に、ぐっと口元を噛み締めた定信。
照れくさいのか、急に話を変え「では、今後は随時よき品物をみつくろって白川に送るように」と、通販を希望。え?という蔦重に「抜け目ない商人に千両も取られたゆえ、倹約せねばならぬ」と。
先日の「なにせ暇なもんで。どなた様かのおかげで店を休むことになりまして」の蔦重の嫌味への仕返しでしょう。