【豊臣兄弟!】藤吉郎と小一郎の強烈な光と影…“好かれたい” 野心の兄vs“正しくありたい” 理性の弟を考察 (7/8ページ)
もう嫌われたりしとうない」
これは藤吉郎の本音なのでしょう。胸が痛む場面でした。小一郎は寝てましたが。もしかしたら、この兄の本音に、答えあぐねて寝たふりをしたのかも……とも思ってしまいました。
「嫌われたのは兄者のせい!」という怒りと、8年間その汚名返上のため“出世すること”だけを考え、百姓とばかにされても見下されても、ただひたすら孤独に戦ってきた兄への同情との葛藤で。
盗賊であり間者だった者の正体は、藤吉郎に優しく握り飯を分けてくれていた織田家の台所方、横川甚内(勝村政信)でした。
小一郎は、灯を持たずに夜廻りをする横川を疑い問い詰め斬られそうになりますが、藤吉郎が割って入り、何の躊躇もせずばっさりと斬り捨てます。
血まみれの顔で振り返り、無表情のまま静かに「だいじないか」と。いかにもお調子者の陽キャから豹変した表情の怖さは、さすが池松さん。
恩人でも迷いなく斬り捨てる冷酷さや、犯人を斬り捨て手柄をあげたい強い野心。小一郎が「兄の中にいる何者か」にはじめて恐怖を覚えた場面ではないでしょうか。
手の震えが止まらなかったのは、「わしがおそろしかったのは、兄者じゃ」だったから。
輝くように明るく見えた藤吉郎の本質と抱える闇の深さに、恐れを抱いた小一郎のセリフが、今後の展開を予言しているようでした。