【豊臣兄弟!】藤吉郎と小一郎の強烈な光と影…“好かれたい” 野心の兄vs“正しくありたい” 理性の弟を考察 (5/8ページ)
けれども、“幼少期の仲睦まじい兄弟”時代から描いていたら、突然戻って来た兄ととまどい怒りすら覚えている弟の、二人のコントラストはテンポよく伝わってこなかったかもしれません。
「野心と情熱」の兄 vs「理性と正しさ」の弟
8年前、土豪・坂井喜左衛門(大倉孝二)の屋敷から仏画を盗み姿を消した藤吉郎。そのせいで、残された家族は“盗人の身内”として蔑まれ肩身の狭い思いをして生きて来ました。
そんな兄に対抗する気持ちもあったのでしょう。正しく生きて来た小一郎。
戦が始まり戦場に向かう村人たちに対し、「戦場では盗みばかり」と出向きません。兄への長年の怒りと、自分は兄のようになるまいと「理性」を働かせます。
けれど、姉とも(宮澤エマ)に「甘ったれたこと言ってないで、戦に行き銭や食いもんをとってこい!」と怒られます。満足に食べられない極貧生活の中で、正しく生きる「理性」など何の役にも立たず、腹も膨れず、家族を救うこともできない現実。
そんなとき、兄が、飄々と何事もなかったかのように戻ってきました。「久しぶりじゃの、小一郎!」と、太陽のように弾ける笑顔で。
盗人として罵られ泥沼に落ちても這い上がってきた兄。