なぜ「和食」は油が少なく「中華」は油が多い?日本と中国、料理を分けた“油と水”の歴史 (4/5ページ)
中国はなぜ油を多用するのか
一方、中国では油をふんだんに使う料理が発達しています。その背景には、歴史的な転換点がありました。
元代にモンゴル族が支配者となり、バターや動物脂を好んだことが、中国料理に油文化を一気に広めた一因ともいわれています。
そうして宋代に盛んだった魚のなれ鮓文化は衰退し、油脂を使う料理が主流になりました。朝鮮でもモンゴル支配をきっかけに肉食が復活し、油脂文化が定着しました。
自然環境の違いも大きな要因です。日本は雨が多く川が短いため 軟水 が主流であることから素材の味が出やすく、煮る・炊く・だしを出すなどの調理に向いています。
対して中国は大陸が広く川が長いため 硬水 が多く、煮崩れしにくくアクが出やすい特徴があります。
しかし硬水では水煮や湯通しが難しく、炒める・揚げるといった油を使う調理法が発達しやすい環境でした。
これについては、漫画『鉄鍋のジャン!』でも、中華料理は油でもって水を制してきたのだと説明されています。
さらに、中国では油は 活力の象徴 として扱われ、「加油(頑張れ)」という言葉にもその価値が反映されています。
