幕末の倒幕運動は“偽金”で動いていた!諸藩が手を染めた犯罪級の資金調達の実像 (1/4ページ)
「奪税」の発想
幕末期の日本では、幕府も諸藩も深刻な財政難にあえいでいました。
そこで、幕府は開国による軍艦購入などで支出が急増し、万延二分金の改鋳でなんとか収益を得ようとします。
江戸幕府は、長年にわたり金貨・銀貨・銅銭・鉄銭の鋳造を独占し、額面価値と金属価値の差を利益として吸い上げる貨幣鋳造益を大きな財源としていました。
よって、この方式を強化することで財政難を乗り切ろうとするのは自然な発想だったと言えるでしょう。
しかし、この利益を幕府だけが独占する状況は、諸藩にとって見過ごせないものでした。
諸藩は幕府から直接課税されない立場とはいえ、参勤交代や天下普請などの負担が重く、財政は幕府以上に厳しい状態だったのです。
さらにペリー来航以降、幕府の国防力への不信が高まり、いよいよ討幕の空気が広がっていきます。
しかし倒幕するにもカネが必要です。そこで諸藩の中で芽生えたのが、幕府の改鋳利益を“横取り”するという発想でした。
こうして生まれたのが、後に倒幕運動を支える資金源となった偽造二分金の製造です。