小林製薬紅麹事件研究解説 誤った正義感が紅麹市場を破壊したFDA裁判・食薬区分25年の歴史と、企業名公表プロセスの開示請求 薬系研究者・役人の視点で考察 (6/8ページ)

バリュープレス




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3(4) プベルル酸は「後付け」だった可能性
 前述の仮説をさらに一歩進めると、プベルル酸そのものが「後付けの科学的根拠」として機能した可能性が浮かび上がる。これも現時点では文書的証拠のない推論であるが、以下に示す複数の事実は、この見方と整合する。
〔事実1〕企業名公表(3月28日)はプベルル酸の同定(4月以降)より先に行われた
 225社の実名公表は令和6年3月28日に行われた。一方、国立衛生研究所(NIHS)によるプベルル酸同定報告が公表されたのは4月以降である。すなわち、原因物質が科学的に特定される前に、企業名の公表という社会的制裁が先行して行われた。通常の行政論理であれば、原因物質が同定されてから被害範囲を画定するはずである。この順序の逆転は説明を要する。
〔事実2〕収去なき断定──食品衛生法28条に基づく独立した行政検査がなかった
 大阪市が発行した公文書(大大保8562号・8639号)により、行政が独自に市場から検体を収去して検査した事実がないことが確認されている。分析に用いられた検体は、小林製薬による自主回収品である。被疑者が自ら提供した検体のみを根拠に、原因物質が確定されたことになる。これは「Chain of Custody(検体の証拠連鎖)」として根本的に欠陥のある手続きである。
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