朝ドラ「風、薫る」女郎を地獄から救いたい…夕凪を救うため、りん(見上愛)が出会う明治の『廃娼運動』とは? (3/11ページ)
※本記事では登場人物のモデルとされる実在人物を紹介していますが、ドラマ上の人物設定や物語展開は創作を含むため、実在人物の生涯・経歴とは異なる場合があります。 今目の前にいる女郎を地獄から救いたい
前回の記事でご紹介したように、原案の伝記小説では「根津遊郭の花魁が客と心中しようとカミソリで喉を切るも死にきれず病院に運び込まれてくる」というエピソードが登場します。
そのことで、一ノ瀬りん(見上愛)の実在のモデル大関和や大家直美(上坂樹里)の実在のモデル鈴木雅は、社会的弱者である女郎を助けたいという気持ちを募らせます。
先週、第10週の最終話で、ドラマでは一命を取り留めたものの「いっそ死んだほうがよかった。退院して女郎屋に戻っても地獄が待っているだけ」と生きる気力を失っていた夕凪。彼女は客に無理心中をしかけられたのでした。
さらに、夕凪の働く女郎屋錦栄楼の主人・権田巳之助(梅垣義明)が病院に乗り込んできて、「早く店に出ろ!休んだ分や病院代はお前に稼いで返してもらうからな」と凄み、まだぐったりしている夕凪を連れて行こうとします。
そんな様子を目の当たりにして、りんと雅は同時に決心します。
「逃げましょう!」
身勝手な青年客には毒を飲まされるわ。
青年の両親には「女郎のくせにうちの息子を誑かしやがって」と罵られるわ。
医者には「女郎はあとだ!」と、治療を後回しにされるわ。
一命を取り留めたものの、女郎屋の亡八(大河「べらぼう」を観ていた方は「この亡八が!」と思ったのではないでしょうか)に強引に店に戻されようとするわ。
こんな、人を人とも思わない差別人間に囲まれて、生きていくのはどれほど大変だったことか。
生きるも地獄、店に戻ればもっと地獄。