工場の外へ広がる「自動化フロンティア」――滋賀の中堅FA企業が挑む”another FA”は普及するか (2/3ページ)

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“工場の外”を自動化する――「another FA」という挑戦

現在注力するのが、社内で「another FA」と呼ぶ取り組みである。Factory Automationの対象を工場内に限定せず、Field Automation――社会の現場全体へ広げていこうという構想だ。

象徴例として同氏が挙げるのが、高速道路のメンテナンス現場向けに開発した「コーン半自動設置・回収装置」である。高速道路の保守作業は、屋外での反復動作に加え、安全確保の観点から一定の人員配置が不可欠とされる。だが裏を返せば、長時間にわたり走行車両の至近で身体的負荷の高い作業を続ける労働者がいるということでもある。

犬飼氏は「負担を減らせる工程はあるのではないか」と問題提起し、試作開発に踏み切った。自動化という言葉は工場の生産ラインを連想させやすいが、実際にはインフラ維持や屋外作業の安全性向上といった領域にも応用余地がある、というのが同氏の見立てだ。

もっとも、工場内設備と比べると屋外・社会インフラ現場は、作業条件、安全基準、運用主体が多様で、導入ハードルは高い。試作機の実績がそのまま標準装置の普及に結びつくとは限らず、現場ごとの要件整理や継続運用の枠組みづくりが今後の課題となる。

ロボット導入で本当に問われるのは「性能」ではなく「使い続けられるか」

ロボットや生成AIの活用が広がるなか、犬飼氏が繰り返し強調するのは「動くこと」と「現場で使い続けられること」はまったく別だ、という視点である。製造現場は設備構成、作業条件、前後工程のつながりがそれぞれ異なるため、ロボット単体の性能だけでは解決しない場面が多いという。

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