『豊臣兄弟!』光秀の心は“あの時”から壊れていた…呪縛を解かれた信長「ぜひもなし」は豊臣兄弟へのアンサー (5/9ページ)
「たやすく言うでない」と声を荒げ、「血塗られたこの手でそのような世をどう作れと。私には壊すことしかできぬ」と信長。
こんな悲痛な表情は初めてでしたね。
逆らった者だけではなく、無辜の人々の命も虐殺してきたことは「この世をひとつにするため」だったはずが。
自分は「間違っていたのかも」とふと自身に疑問を持った瞬間、両手が血塗られているように見え苦悩が始まったのでしょう。
この兄を苦悩地獄から引きずり出すには、人たらしでいつも「太陽のように照らしてくれる」豊臣兄弟しかいないと、小一郎(仲野太賀)を信長のもとに向かわせた市。
これも『兄妹』のお市にしか思い付かない作戦です。
小一郎と酒を酌み交わしつつ信長は「兄を憎んだことはあるか。兄を殺したいと思ったことはあるか」と問うたところ、
小一郎は「それはしょっちゅうでございます!」とあっさり答えました。
「兄は憎い、けれども恨んではいない。私には、到底敵わない兄を持った弟の気持ちが分かります」という小一郎の言葉に、信長は、長年抱えていた弟・信勝への罪悪感から、ゆるりと解き放たれたようでした。
この小一郎の言葉は、本能寺での信長の最期に生きていきます。
このドラマの根底には、どんなときでもどんな出来事でも、「兄弟」(兄妹)というテーマが流れています。
「絶望的な闇」を抱える「織田兄弟」もあれば、その闇を照らす太陽のような「豊臣兄弟」もいる。業でもあるし絆でもある「兄弟」関係の対比を感じさせられました。