【豊臣兄弟!】利家の裏切りではなく“勝家の愛”を描いた第32回『賤ヶ岳の決闘』を史実と共に考察 (7/9ページ)
願いは「他の者と果たせ」と告げる愛
前回の記事「前田利家がまさかの撤退!「賤ヶ岳の戦い…」でもご紹介したのですが、
【豊臣兄弟!】前田利家がまさかの撤退!「賤ヶ岳の戦い」裏で妻・まつはどう動いたのか?『賤岳合戦記』にある勝家と利家の最後の別れを思い出しました。
その場面を現代語にして要約すると……
勝家は、賤ヶ岳から撤退したあと府中城に立てこもっていた前田利家・利長のもとを訪れて、礼を述べた。そして、茶漬けを頼み静かに食事をしてから、痩せた馬を所望して発っていこうとした。見送ろうとする利家を制して辞退するも、『その方は筑前守(秀吉)と以前から親しく、他とは異なる間柄。必ず今度の誓約を翻して安堵されよ』と言って去っていった。
という内容です。もちろん、のちの脚色がある話ですが、実にドラマになるエピソードですよね。
「豊臣兄弟!」でどう描くのかと思っていましたが、場面やセリフこそ違えども、利家に対する今までの礼の気持ちと、この先は巻き込みたくないので、わしと袂を分かってかまわないのだぞ…という“愛”は同じだなと感じました。
山口さんの演ずる勝家には、利家の裏切りへの怒りや責める気持ちなどまったく感じられず、我が子に諭すように教えている表情がなんとも印象深かったです。
お市が「私を殺してみよ」と小一郎に伝えたときと同じ表情でした。
先に逝くことへの覚悟を念頭に置きつつ「我が人生に一点の悔いなし」と誇りに思っている人の目でした。
