厳重な防犯態勢でなぜ!?「まんだらけ」騒動を現役万引きGメンが総括 (1/2ページ)
Photo by まんだらけ公式ホームページより
古物商「まんだらけ 変や」における鉄人28号盗難事件で、犯人の男が無事逮捕された。警察が百五十店にも及ぶ古物商に聞き込み捜査を行った結果、同じブロードウェイ内の古物商に盗まれたモノと同型の鉄人28号が持ち込まれていたことが判明。その後、被害品であることが確認されて、自らの身分証明書を差し出した上で盗品を売却していた犯人の逮捕に至ったという流れである。
逃走事案や事後強盗事案などは別であるが、通常の万引き事案において、ここまで大規模な捜査が実施されることは珍しい。事件が長期化すれば、なにを言われるかわからない。様々な批判と圧力を受けて追い込まれた警視庁と中野署の意地が、早期解決の結果を導いたといえるだろう。今回は、様々な観点から、この騒動を総括してみる。
容疑者が任意同行された当日、偶然にも被害店舗の視察に出向いていた筆者は、同店のセキュリティレベルを確認するとともに犯行手口を検証していた。まず初めに、被害品が陳列されていたというショーケースを見てみると、電子制御された最新の防犯機器が導入されているのがわかった。
多くの被害現場に立ち会ってきた筆者も、この防犯機器が破られた事例に接したことは皆無で、その突破法が掲示板などに公開されている事実もない。さらには、三台のドーム型カメラがショーケースの周囲を取り囲むような形で設置されており、その画像はカウンター内のモニターで確認できる状況にある。通常通りに警戒されていれば、絶対に盗まれることのない陳列状態といえるだろう。ほぼ完璧といえる防犯態勢が構築されている店内で、希少で高価な商品が盗まれた事実が重い。
そこで犯行手口を考えてみたところ、商品を盗み出す方法がひとつだけ見つかった。しかし、狭い店内で誰にも気付かれぬよう実行するのは難儀で、現実的な手口とはいえないレベルの発想だ。それに、防犯カメラの配置を考えれば、かなりの勇気も必要になる。そうしたことを居合わせた店員さんに話しつつ、用いられた犯行手口について意見交換してみると、人為的なミスがない限り盗めないという結論に達した。