幸福の科学「大学不認可」でも揺るがない大手マスコミとの蜜月

デイリーニュースオンライン

幸福の科学公式HPより

 10月29日、来年4月に開校が認められた大学名が文部科学省から発表された。新設される大学は「湘南医療大学」「長野保健医療大学 」「鳥取看護大学」の3校だ。

 しかし、申請段階ではもう1校あった。それが「幸福の科学大学」である。初年度の定員は260名で、開校予定地は九十九里浜が望める千葉県長生村の一画だ。4階建の豪奢な校舎はほぼ完成している。にもかかわらず、開校はまかりならん。との判断になってしまった。

授業のテキストに使われる予定だった「霊言集」

「そりゃそうですよ、幸福の科学開祖である大川隆法氏の教えをダイレクトに取り入れた大学ですからね。可否を判断する文科省の担当者も戸惑ったと思いますよ」(教育評論家)

 故人の霊と交信してその言葉を現代によみがえらせる『霊言』で有名な大川隆法は、様々な歴史上の人物と交信し、その言葉を『霊言集』として出版している。おびただしい数の『霊言集』があるが、主なものでは『吉田松陰の霊言』『アダム・スミスの霊言』『天照大神の霊言』などがあげられる。

「吉田松陰とかソクラテスやなんかは百歩譲ったとしても……いや譲れないか。まぁとにかく、何らかの超能力で仮に死者と対話できるとしても、天照大神は……神話の登場人物ですよ。どう交信するんでしょうね」(前出・教育評論家)

 幸福の科学大学ではそういった『霊言集』も授業のテキストとして使われる予定だったようだ。これはやはり、かなりハードルが高いと思われる。しかし不認可の最大の理由は実はそこではないのだ。

 文部科学省大学設置室担当者の話。

「学問というものは一定の理論があって、それが一般に普遍化されているものでないといけないと思います。大川氏の『霊言』が学問として一般に受け入れられていない、という判断ももちろんあるのですが、今回不認可となったのはそれよりも審査過程において不適切な行為があったことが問題視されたんです」

 認可するかしないか、文科省の担当者だけで決めるのではない。広く一般から認定委員が集められ、そこで幾度も議論を重ねた上で可否が決定する。申請者との意見交換も当然あるのだが、幸福の科学はその決まりを飛び越えて、委員に直接大川隆法氏の著作物を大量に送りつけたというのだ。

「一人につき数十冊単位です。こういった行為は看過できません」(前出文科省担当者)

 中には現文部科学大臣の下村博文の守護霊と交信したとするものまで混じっていたという。そのタイトルは『文部科学大臣・下村博文インタビュー』。

 あとがきには、まるで政権に対する脅しともとれる一文もある。

『「幸福実現党」を立ち上げてからも(2009年)、宗教法人・幸福の科学は、本来の日本にとって重要な政治家は応援してきた。~中略~ 安倍政権には長く続いてほしいと願っているが、幸福の科学信者層の下村不信が急速に広がりを見せているため、政権の余命は、私の決断にかかっているかもしれない
(アンダーラインは筆者による)

広告を出す大川隆法は新聞社にとってはメシア!?

 しかしなぜ、幸福の科学は大学を新設しようとするまで大きくなれたのか? キーワードは「宣伝力です」と、某大手新聞の記者が語る。

「大川隆法氏は年間何十冊もの書籍を上梓します。そのたびに新聞や雑誌に大きな広告を出す。つまりマスコミにとって幸福の科学は大切なお客さんなんですよ。例えば政治団体の『幸福実現党』はただの一人も議員を出していません。つまり政党としての体をなしてない。でも我々は選挙戦を報道するときなど、『幸福実現党』をいっぱしの政党みたいに扱います。要するにお客さんに『遠慮』しているんですよ。そういったことが積み重なってあの団体は成長したと言えます」

 幸福の科学側は「霊言集」について「新聞に全面広告として掲載されたという事実により『妄想や虚言、詐欺などと思われないだけの社会的信用がある』」としているが、広告と記事は全くの別ものである。

「全国版の新聞に一面広告を載せると新聞社には数千万円が転がり込みます。毎年のように部数が落ちている新聞業界ですから、ポンッと広告を出す大川隆法はまさにメシア(救世主)のような存在なのかもしれません(笑)」(前出新聞記者)

 しかし、宗教法人は税金などの面で優遇されている。一般企業と同じような扱いで広告を載せたのでは一般読者の理解は得にくい。そこで新聞社は宗教団体の広告に関して様々な自主規制を設けている。特に「教団の勢力拡大、布教方法を表現するもの」は掲載しないとするのが通常の態度だ。

 ところがこれには抜け穴があるという。

「例えば『幸福の科学』は宗教団体ですが、『幸福の科学出版』は一般企業です。ここが市販する書籍に関しては規制の対象とはならない。まぁ、そういう言い訳のもとに新聞社もガンガン宗教団体がらみの書籍の広告を掲載しているんですけどね」(前出新聞記者)

 日本の宗教団体はなにも幸福の科学だけではない。マスコミと宗教団体の蜜月が、我々読者をミスリードすることにならないことを祈るばかりだ。

(取材・文/江波旬)

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