タランティーノ絶賛の映画『オオカミは嘘をつく』監督インタビュー (2/7ページ)
キャラクターが濃くなる他の要素としては、大抵の映画では答えの出ない、ある意味答える必要のない疑問に答えを出しているという点も大きいと思います。
例えば、復讐映画や拷問映画は数多くありますが、どうやって武器や拷問器具、拷問用の地下室を手に入れたのか? ということへの答えは描かれません。なので、叫んでも誰も助けに来ないような地下室のある家を手に入れるまでのくだりを本作には入れました。
クエンティン・タランティーノ監督やコーエン兄弟の作品にも、そういったシーンは多いです。彼らは他の映画では問われない疑問に対して、正しい答えとなる映画を作っているんだと思います。
ナボット・パプシャド(以下、ナボット):プロットも、常に「もしもこうだったら、どうだろう」というのを何通りも考えて作っています。
例えば、「もしも、本来はクライマックスで描かれることが作品の冒頭で描かれたら?」といったことを考えると、ストーリーを語るときにアイデアが必要となります。これは作り手にとっては挑戦的なことですが、観客にとっては面白みが増すやり方です。
――前作の『ザ・マッドネス 狂乱の森』も本作も、緊張状態を限界まで引っ張りに引っ張って、最後の最後にカタルシスがドーン! とくる作品だと感じたのですが、こういった展開が好きな理由はなんでしょうか?
ナボット:ブライアン・コックス主演の『アダプテーション』に出てくる台詞がすべてですかね。
アハロン:美しい映画はたくさんあるけど、結末がひどいとすべてが台無しになるし、その結末しか観客の心には残らないもの――といった意味のやつですね。これは正しくて、良い映画だったのか、それとも悪い映画だったのかというのは、結末で判断されます。