タランティーノ絶賛の映画『オオカミは嘘をつく』監督インタビュー (3/7ページ)
映画は観客と明確にコミュニケーションをとらないといけない芸術です。本や絵画は観客が自分のペースで考えながら楽しめますが、映画はそうはいきません。90分から120分という時間、大勢の観客に語りかけ、会話をしなければいけません。そして、作り手には話を最初から最後まで聞いてもらうように努力する責任があります。
そういった点で優れている作品を挙げると、例えばデビッド・フィンチャーの『セブン』があります。あの結末は見る者を打ちのめしますよね。ブライアン・シンガーの『ユージュアル・サスペクツ』の結末は、気付かなかった自分はなんて馬鹿なんだ......と思わせます。
ああいった結末は、ストーリーテリングの妙や映画のモラルについて考えさせてくれる、映画館を出た後に「プラスアルファの収穫があった」と感じさせてくれるものです。こういう感想を持てる作品こそが良い映画だと思うので、自分たちもそういった映画作りを常に心がけています。
――前作はイスラエル初のホラーで本作はスリラーと、いわゆるジャンル映画が続いていますが、ジャンル映画を作る上で何かこだわりはありますか? 作っていて一番楽しいと感じるのはどういったところでしょうか?
ナボット:もちろん全ての映画に当てはまるわけではありませんが、優れた脚本と優れた俳優さえ用意できていれば、例えカメラワークや音楽が悪くても、映画というのはなんとなく機能はすると思うんです。
しかし、良いジャンル映画は優れたカメラワーク、優れた音響、優れたサウンドトラック、優れた編集などなど、すべてが優れていないといけません。
ジャンル映画を作るというのはジェットコースターを作るのと一緒で、ペースをコントロールして、観客の感情が作り手が意図したように動くように導かなければいけないからです。観客に「ここは叫ぶところ!」とか「ここは笑うところ!」といったことを、シーンごとに伝えなければいけません。