【小4なりすまし】青木大和氏の過去発言を検証する (3/3ページ)
また、「どうして解散するんですか?」の公式ツイッターでも、署名人や朝日新聞の記者、沖縄タイムスの公式アカウント、菅直人元首相、民主くん、在特会のメンバーにメンションを送り、同一内容のコピペ文章で「協力してほしい」とつぶやいている。これだけを見ると、話題になるように仕掛けているが、自作自演のリスクを考えていなかったのだろう。
サイトでの謝罪によれば、「僕が小学4年生を自演することで面白いとみなさんに受け止められ、より多くの方を巻き込んだ形」にしたかったようだ。インターネットが若者の政治参加を促すと、ネット選挙をポジティブに考えているようだ。東洋経済オンラインの「『若き老害』常見陽平が行く サラリーマンいまさら解体新書」(14年11月14日)の「若者に選挙は『無理ゲー』じゃないか」では、次のように言っている。
「僕はこれから変わっていくと思っています。10年、20年前だと、支持母体、地域の論理があった。その時代の若者は、親の政治思想を引き継ぐだけの存在だったけれど、今はインターネットがあるので、自分で情報収集できる。そこに可能性を感じている」
少なくとも今の現実政治は「地盤」「看板」「カバン」に左右される。しかし、ネットがあることで自発性が生まれると感じているのだろう。そう信じたいのは私も同じだが、一定程度の情報収集ができても、政治の選択幅は変化しないのはなぜか。また、情報収集が自由にできても、集票という政治力に結びつく現象はまだ少数なのはなぜか。これらの点には言及していない。聞かれなかっただけなのか。それとも、まだ分析の途上なのかはわからない。
こうしてみると、インターネットのポジティブさに青木氏は素直に乗ってきたのだと思う。都市部の「意識高い系」の大学生の代表、という感じがするが、若い世代が政治家とつながり、意見を言うという試みは悪くはない。以前だったら、学園祭に政治家を呼んで意見していたような存在だったのかもしれない。
しかし、今回は少なくとも、ネガティブに働いた。若者の政治参加はこれまでのいろんな人が取り組んできた。私の印象としては、青木氏に限らず、こうした政治参加の運動は、なぜか、過去の運動やその運動における失敗に学んでいない。ただし、まだ青木氏はまだ20歳。この失敗をかてに新しい取り組みをしてもらいたい。
Written by 渋井哲也