【分析】ジャッキー・チェン映画はなぜこんなに面白いのか? (5/7ページ)
そのため、完璧なアクションが取れるまでに幾度となく撮影を繰り返すことが可能です。
「1番難しかったのは大きな扇子を飛ばして再び自分の所に戻って来させるというものです。これには120回以上もリテイクしました。こういったシーンを見たら、観客は『ジャッキーはすごい‼︎』となりますが、そうではなくて誰にでも出来るのです。ただ、本気で集中するかどうかの違いです。」
ジャッキーは非常に難しいように見えることを小技として入れてきます。本来ならばやらなくてもいい上に、すぐに成功しなければ無駄に予算を食うことでも、ジャッキーはあえてやるのです。
ジャッキーは「アメリカの映画では絶対に許可してもらえません。彼らは予算の管理に厳しいのです」と話しています。
■ 観客にリズムを感じさせる

リズミカルに
アメリカの映画が理解していないことのひとつに、「リズム」が挙げられます。動きにもショットにも、編集にさえもリズムが存在しているにも関わらず、それが無下にされているのです。
一方、ジャッキーは音楽的リズムを非常に大切にします。そして、それは熟練のマーシャルアーツ・パフォーマーにとっても容易ではありません。ジャッキーは初期の作品でもチャイニーズ・オペラのようなリズムを披露しているのがわかります。80年代中盤になるとお抱えのスタントチームと演じるようになり、その動きは独特なものになりました。
しかし、アメリカでは監督も編集者もこのリズムの大切さを理解していないのです。彼らはひとつひとつの攻撃に合わせてカットしてしまうので、観客はリズムまで楽しむことができません。