TPP交渉「知的財産・著作権」の非親告罪化はクールジャパン衰退を招く (2/3ページ)

東京ブレイキングニュース

検察などが非親告罪化を求める際に必ず言われるのが「違法コピー品(海賊版)を取り締まるのに親告罪では不都合だ」なのだが、これまで日本国内において "親告罪であるが為に海賊版を取り締まれなかった実例" は私が知る限りはない。細か過ぎる話までは知らないが、少なくともある程度大きな問題とされた例では聞いた事がない。著作権法は特に問題のある場合はケースバイケースで対応できるよう非親告罪化されている部分(出典元の明記なき権利物の引用や技術的プロテクトを乗り越えるようなシステム・装置など)があり、また現行犯での逮捕も実例があるので、特に障害があるようには思えないのだ。ちなみに著作権からは離れるが、特許・実用新案・商標・意匠などは非親告罪なので、他人の権利物をパクるようなビジネスはどこかに引っ掛かるようにもなっている。これに加えて、様々なリスクを負ってまで著作権侵害を非親告罪にする必要性があるのだろうか。

 では仮に非親告罪化されてしまったとして、どのようなデメリットが考えられるだろうか。まず頭に浮かぶのは同人業界の壊滅であろう。非親告罪ならば 「権利者が黙認していても摘発を受ける」のだから、これまでのようなわざわざ許諾はしないが黙認するという姿勢は通用しなくなる。また権利者が「いいよ」と言っていても訴追される可能性すらあり、実際に海外では「権利者が訴えを取り下げているのに検察の判断で起訴に及んだ例」がある。また著作権はマンガやアニメだけではなく、音楽・映画・写真・プログラムなどにも及ぶため、これらのパロディやオマージュといった手法も危険視されるようになり、しばらくの間はそうした業界の萎縮が続くだろう。表現の分野の萎縮とは、すなわち "表現文化の劣化" にほかならない。自由な発想と法律など社会のルールとのせめぎ合いの中で様々なコンテンツが生み出されて行くのだから、発想を縛り付けるルールはなるべく緩くすべきだという大前提が壊される。それで世界に通じる優秀なコンテンツ、いわゆるクールジャパンとやらが生み出せるのだろうか。

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