はるしにゃんの幾原邦彦論 Vol.1 少女的理想と現実の狭間にゃん (4/5ページ)

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本作はキャラクターのファッションを、獄本野ばら『下妻物語』の衣装協力を手がけたロリータブランド「BABY,THE STARS SHINE BRIGHT」とコラボレートしたことでも知られている。

近年は、再びアニメの世界で幾原の名前を見る機会も増えてきている。2007年からは『のだめカンタービレ』のOP映像の演出を皮切りに、いくつかの作品の絵コンテやOP演出にも参加している。さらに2011年に『少女革命ウテナ』劇場版以来12年ぶりとなる監督作品『輪るピングドラム』を発表し、2015年に『ユリ熊嵐』を監督していることは先に述べたとおりである。

数々の一流クリエイターに影響を与えたその作品と人となり

幾原から影響を受けたアニメ監督は『おおかみこどもの雨と雪』の細田守や『桜蘭高校ホスト部』の五十嵐卓哉、『蟲師』の長濱博史など数多く、さらには脚本家の榎戸洋司や大河内一楼など幾原自身によってその才能を見出された者も少なくない。庵野秀明も幾原にほれ込んだ人間のひとりであり、彼は『新世紀エヴァンゲリオン』以降、幾原の助言から演劇的要素を取り入れるようになったと言われている。

また幾原自身は奇抜なヘアスタイルやファッションで戦略的なメディア露出を行ない、アニメ界のビジュアル系と形容されている。そのキャラクターの強さは様々なフィクションのモデルにされたこともあるほどだ。一説によれば『新世紀エヴァンゲリオン』の渚カヲルは幾原がモデルだとされている。



作品同様、幾原自身もまた、その作風や略歴が示唆するように一筋縄ではいかない人物であるようだ。最初に志したグラフィックデザイナーへの道は競争社会の恐ろしさによって断念し、実写映画監督への道はキャリアの厳しさによって断念し、つまりどちらにせよ苦しいのは嫌だということで軽やかに逃走し、楽そうだからという動機でアニメ業界に足を踏み入れたと語っている。

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