はるしにゃんの幾原邦彦論 Vol.1 少女的理想と現実の狭間にゃん (5/5ページ)

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少年時代のエピソードにしても、異性にモテるタイプだがプラモや絵に熱中していたり、運動部に所属したが暗い性格であったりと、とにかく掴みどころがない。自分を「褒められて伸びるタイプ」と語るところなどいかにも飄々としている。

この連載は、幾原邦彦作品の批評ではある。しかし他方で、批評というものにおよそ興味がないという人にも、彼の作家性を理解してもらうことにより、現在放映中の最新作『ユリ熊嵐』をさらに楽しめるような内容にするつもりだ。おそらくそれは『美少女士セーラームーンR』『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』など、過去作のテーマやスタイルを概観し、彼の人間観や世界観に肉迫していく作業となるに違いない。そのとき、我々は幾原の問題意識が我々の生活と決して無縁ではありえないこと、またそれゆえにこそ我々が幾原作品に惹きつけられているのだということを知ることになるだろう。

この連載は、私たちがそれを確認していく作業だ。そしてそこにおいて私たちは「運命」や「永遠」について再度直視し、そして「革命」のなんたるかを知る。以降、幾原自身が企画・監督をつとめた『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』、それに『ユリ熊嵐』を個別に論じることで、幾原邦彦という作家に迫っていきたい。まず次回は『少女革命ウテナ』である。にゃん。

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