自衛隊が対峙した「地下鉄サリン事件」知られざる秘話 (3/5ページ)

日刊大衆

ところが、警察内部に存在したとされるオウムの"S(スパイ)"によって、捜査情報が漏えいしてしまったんです」

スパイを通じて22日の強制捜査を知ったオウム教団が、これを阻止するために強行したのが、20日の地下鉄サリン事件だったのだ。
「当時の国松孝次警察庁長官も、同様の証言をしています。地下鉄サリン事件被害者の会の代表世話人との対話で、"警察は、オウム教が3月22日の強制捜査を予期して、なんらかのかく乱工作に出るという情報を事件の数日前に得ていた"と発言しているんです」(前出の警察庁担当記者)
国松長官は「ただし、情報に具体性がなかったため、予防措置を講じることは不可能だった」と続けているが、これは偽らざる本音だったのではないか。

「教団施設への強制捜査のかく乱を目的とした地下鉄サリン事件は、9.11米国同時多発テロと図式が似ています。9・11の数か月前、FBI(米連邦捜査局)のアルカイダ担当チームは、"米国中枢で航空機を用いたテロが発生する"ことを掴んでいました。情報は、キューバに設置された米軍のグアンタナモ収容所に拘束されたテロリストからもたらされたといいます。ただ、地下鉄サリン事件同様、具体的な情報に乏しかったため、これを未然に防ぐことが困難だったわけです」(軍事ライターの黒鉦英夫氏)

さらなる誤算は、オウム教団がテロにサリンという警察では対処不可能な化学兵器を用いたことだった。
「NBC兵器への対処が可能なのは、自衛隊のみです。とはいえ、想定される事態は、他国による侵略ではなかったため、自衛隊に防衛出動(有事に際しての自衛隊の軍事行動)を命じることは困難だったはずです。それならば、治安出動(警察の手に負えない事態に際しての自衛隊の出動)という手もあったんですが、当時はまだまだ自衛隊に対する理解が不足していた時代ですから、国民感情的にも、それは難しかったはずです」(自衛隊事情に詳しいライターの古是三春氏)

結果、"次善の策"として、自衛隊が訓練と装備提供の両面で警察を全面サポートすることになったという。

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