インターネットから始まる、新しい映画のつくり方 #1 書籍編 (5/7ページ)
非道に生きる

映画監督・園子温さんの初の書籍です。この本に書かれているのは、脚本術でも、映画術でもありません。彼がいままで歩んできた道を辿りながら、彼自身の考える映画づくりの「思想」そして「姿勢」について書かれています。
決して映画監督として順風満帆な道のりを歩んできたわけではなく、それ以上に彼の経験そのものが「映画」というろ過装置を通して可視化/可聴化されているだけなのだと気付きました。だからこそ、園子温さんはエンターテイメントとして成立しながら、どこかバイオレンスで現実味を帯びた映画を作れるのだと思います。つまり、「映画を学ぶこと」よりも「あなたが何を経験したか」が大事なのです。スティーブン・スピルバーグさんはかつてインタビューでこう答えています。
物語に真実味を出すには、自分が経験したことに基づくものが必要だ。そして観客もそういうところに魅力を感じるだろうし、私もそう感じる。
『A.I.』“スティーブン・スピルバーグ監督”サテライト会見レポート! - UNZIP
あなたが日常でなにかを経験しなければ、映画はつくれません。逆に、あなたが生活の中で経験したことから、映画は生み出されます。映画のつくり方云々よりも先にやることがあるのだと気づかされる一冊です。