数十年後の未来で、同性カップルに「レズビアンって何?」って質問されるのが夢【LGBTの今を知りたい Vol.2~牧村朝子INTERVIEW~】 (3/7ページ)
同性愛者であることを隠していたせいで、親とのいい関係が築けてなかった
――牧村さんご自身も、結婚前にはご家族にご報告されたと思うのですが、そのときは葛藤がありましたか?
ありました。まず、私は自分が同性愛者だってことをずっと押し隠してきたせいで、親とのいい関係が築けていませんでした。なので、同性と結婚するってことを言う言わないの前に、そもそも長いこと親に連絡をとってなかったし、常に親との関係が悪かったんです。親に対してうしろめたい気持ちを持っていることに加えて、「私のことなんにも分かってないくせに分かってる顔するんだな」っていう憤りがあって......。具体的な例を挙げると、15、16歳のころ、ストリートファイターのアニメを観てたら母がにやにやしながら近付いてきて、「朝子もこんなたくましいお兄さんに興味がある年頃になったのねえ」って言い始めて。「私には分かるのよ、うふふ」なんて言ってるんだけど、何言ってんのこの人? 何も分かってないじゃん! って。でもそのときって、自分が女の子を好きだってことを自分でも受け入れられてないので、なんでこんなにむかついているのかという、それさえも分からなくて、うわーってなっちゃって。そんなだったから、親ともいい関係が築けるわけないですよね。
――お母様に打ち明けることになったきっかけは何だったのでしょうか?
ずっと言えなかったんですよね......。でもある日、テレビで「レズビアンです」って言ってる私の姿を母が観てしまったんです。オンエア後、母から、ガラケーの下ボタンを50回くらい押さないと全部読めないような長文メールが届きました。内容から母の混乱ぶりが伝わってきましたね。当時の情勢を織り交ぜながら「大勢の人が亡くなるような災害があったっていうのに、あなたはテレビでレズだなんて言ってていいの?」って。自分の母親が完全に論理を飛躍させて筋の通らないことを言っていることに対する恥ずかしさと同時に、自分は母になんてことをしてしまったんだろうという申し訳ない気持ちとが同時に沸き起こってきました。だって、妻にも常々言われ続けていたんです。「結婚する前に、お父さんお母さんにちゃんと話をするべきだよ」って。