電力を「再生可能エネルギー」に変換!ハワイの先進的な取り組み (2/2ページ)
それは、ハワイ州電力会社のひとつであるHECOの配電網がそれを扱いきれないからだ。
そして、マウイにおいてはじつに風力発電の40%が捨てられていたという。HECOはその廃棄電力の量は減らしているといっているし、新しい蓄電池の導入で、将来的に問題は解決するとしているとしている。
単純に、「化石燃料をやめて再生可能エネルギーに転換する」という面だけをみるなら、ガス会社や石油会社は別としてだれでも賛成だろう。
しかし、現実はそう単純ではない。再生可能エネルギー100%にすることが可能だとしても、その設備を作る工程、設備が寿命に達したときにリニューアルする工程、バッテリーや太陽光パネルを廃棄する工程までを見たときに、全体で環境負荷が大きくなってしまうのであれば意味がない。
また、エネルギー転換のためのコストをだれが負担するのか? 最初は大企業が負担するような形にしても、それは電気料金や雇用や賃金といった形で一般市民に押し寄せてくる。あるいはハワイの場合、宿泊料金が上がれば、観光客がその他のアクティビティにかける費用を削らなくてはならなくなる可能性もある。
そういった場合に往々にしてダメージが大きくなりがちなのは低所得者層だ。可処分所得が少ないからである。再生可能エネルギーを活用するための技術は今後急速に発展していくだろう。しかし、35年後になにが可能になっているのかを予測するのはむずかしい。
現代のエネルギー政策は、そういった技術革新をあるていど予想しつつ、技術開発のための助成も判断し、また市民へのダメージが最小限になることも配慮して決断しなければいけない状況なのだと思う。いちはやく再生可能エネルギーへの転換を目指すことには、それなりのリスクも伴う。
今後われわれ日本人ひとりひとりも、そういった決断を迫られるようになっていくだろう。その際には、「温室効果ガスを出す発電方法かそうでないか」という面だけでなく、製造・建築工程での環境負荷、廃棄・維持工程での環境負荷、そして社会的・経済的影響も含めて判断していかないといけない。
そのためにも今後大いに参考になるのが、ハワイ州のように先進的政策を採ろうという例になるはずだ。