【ブラック職場】スーパー店員として働かされる薬剤師の実態 (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

薬剤師のブラック化も社会問題に(写真はイメージです)
薬剤師のブラック化も社会問題に(写真はイメージです)

 地方では人材不足、都市部では人余り状態といわれる薬剤師。近年では薬のネット販売や医療費削減をめぐって批判されることも多い薬剤師という職業だが、一方で別の問題も浮上してきている。薬科大学を出て製薬会社に正社員として勤務すれば年収1000万円超も夢ではないといわれる一方で、難関の薬剤師資格を取得しながら、30代後半で年収500万円にも満たない者がいるからだ。そんな“負け組”薬剤師の実態に迫る。

「医者と同じく地域医療の専門家として働ける。そう思って薬学部に入学して薬剤師になったのに……。仕事はパート店員と変わらないですよ」

 こう話すのは大手ドラッグストアの勤務薬剤師・Aさん(38歳)だ。関西の私立薬科大学を卒業後、ある中堅ドラッグストア兼流通店にパートとして採用。1年後、正社員となった。

「今、薬剤師は大学新卒の正職員採用なら月収30万円程度といわれています。パートだと時給2000円から4000円くらいが相場です。私が大学を出た15年くらい前だともっと低かった。今でも新卒で特にキャリアがなければ流通系チェーン店の場合だと時給1500円での採用も珍しくはありませんでしたから。もちろんスーパー店員としてレジ打ちもこなします」(Aさん)

 とはいえパートで時給2000円から4000円なら専門職としての収入としては恵まれているのではないか。苦笑しながらAさんが語る。

6時間勤務のうち、5時間はスーパー店員として勤務

「あくまでも『薬剤師として勤務した時間だけ』の時給です。たとえば1日6時間店舗に拘束されて1時間だけ薬剤師としてのシフト。残り5時間はスーパー店員としての時給850円ということもありました」(同)

 Aさんがパート勤務していた社会人1年目は、週5日間・1日9時間拘束、8時間労働という条件で勤務していた。だが、薬剤師としての勤務は酷い時には週のうち2時間ということもあった。ほかはパートのスーパー店員としての勤務だ。

「薬剤師のシフトを外れていても、店内放送で呼び出されるとすぐに薬売り場に飛んでいかなければなりません。今では登録販売者という資格もありますが、ま、要するに薬売り場担当の社員かパートですよ。呼ばれるときは、たいていお客さんからの相談。症状に見合った薬を紹介して終わり。ぶっちゃけ資格などなくてもできる仕事です」(同)

 薬剤師資格を持つ専門職としての待遇ではないと店長を通してAさんは本社に談判した。すると本社側からは意外な申し出が寄せられた。

「【ブラック職場】スーパー店員として働かされる薬剤師の実態」のページです。デイリーニュースオンラインは、貧困政治医療病気ブラック企業社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧