吉田豪インタビュー企画:作詞家・及川眠子「たかじんはワガママで気が弱いオッサンです」(1) (1/3ページ)

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吉田豪インタビュー企画:作詞家・及川眠子「たかじんはワガママで気が弱いオッサンです」(1)

 プロインタビュアー吉田豪が注目の人にガチンコ取材を挑むロングインタビューコーナー。今回のゲストは作詞家の及川眠子さん。Winkや『エヴァンゲリオン』主題歌の作詞などで知られる及川さんは、やしきたかじん氏の楽曲の作詞も手がけていたことから、『殉愛』(百田尚樹・著)をめぐる騒動に巻き込まれた。あの騒動とたかじん氏の人となり、そして及川さんの作詞家人生について、及川さんならではの視点で語っていただいた!

百田尚樹氏はピュアな、人のいいオッサン

──Twitterでは微妙に交流ありますけど、こうして会うのは初めてですよね。ボクらふたりの共通点は、百田尚樹さんにブロックされてるっていうことなんですけど(笑)。

及川 そうそうそう、私もブロックされてる(笑)。

──ただ、及川さんは意外と最近までブロックされてなかったじゃないですか。

及川 結構ギリギリまで大丈夫でしたね。

──だからボク、百田さんのつぶやきは及川さんのリツイート経由でずっと見てたから、急に見れなくなって困ってるんですよ。

及川 そうなんですよね。ずっと私がリツイートしてたら、そのうちブロックされて。それもフォロワーの人が教えてくれたんですよ。「ブロックされましたよ」と。そしたらみんな「おめでとうございます」って(笑)。

──めでたいんですか、それ(笑)。

及川 吉田さんはブロックされるの早かったですよね。

──もともと、及川さんが『殉愛』に対する疑問点をツイートして、百田さんが「この機に乗じて売名行為する作詞家というのも実に厄介や」って批判して炎上したことがあったじゃないですか。

及川 ああ、最初のやり取りですよね。

──あのときボクが「やしきたかじん本を作った人が、やしきたかじん作品の作詞を多数手掛けている人に対して『及川さんというのは有名な方だったのですね』とか言い出すのは、さすがに迂闊すぎるよなあと思います」って、百田さんの名前も出さず、直接リプライも飛ばさずにつぶやいたらブロックされて。

及川 完全な巻き添えですよね(笑)。なんなんでしょうね?

──たぶんボクはTwitterを本名でやってないから、「ネットで素人が俺のことをが揶揄してやがる!」みたいな感じでブロックされたんだと思いますけどね。ちなみに及川さん、売名効果はありました?

及川 売名効果はたいしてないですね(笑)。

──やしきたかじんさんの騒動というか、百田さんの『殉愛』騒動に巻き込まれた人間として、いま振り返ってみるとどう思いますか?

及川 巻き込まれたというよりも、いまはなんか複雑化してきてるんで、ちょっとわかりづらくなってますよね。Twitterでつぶやいてた人たちを脅しにいったりとか、あと内部紛争みたいな「あれは誰かのスパイだ」みたいなのもあって、もうグチャグチャになってて。

──岡田斗司夫騒動しかり、どこも結局そうなっちゃうんですかね。そのうちに、客観的に見ていた人たちが興味を失って離れ始めちゃって。

及川 そうそうそう。さくら夫人が、いま『宝島』とか『サンデー毎日』とか訴えてますよね。あれがどうなっていくかっていう。

──『百田直樹「殉愛」の真実』(宝島社)はおもしろかったですけど。

及川 おもしろかったですよね。よく調べたなっていう。

──作家としての百田さんについてはどうですか? もともと百田さんの本を読んではいたんですよね。

及川 ほとんど読んでました。文章がベタだなっていうか(あっさりと)。

──そんな感想!

及川 ただ私、スズメバチの話(『風の中のマリア』)とか『モンスター』とかすごい好きだったんですよ、視点がおもしろいし。ただ、あの人の文章は詩的ではないんですよね。

──良くも悪くも放送作家の人なんですよね。

及川 うん。あんまり比喩とかも使ってなくて、「こうだからこうでこうです」みたいな。でも、それはそれで読みやすかったんですね。だから『殉愛』を読んだとき、「え、この人こんなに文章ヘタだったっけ?」と思ったんですよ。

──ボクはあれしか読んでないから比較できないんですけど、今回はノンフィクション的な作品だったことで違和感があったのか、それともほかに何か理由があったのか……。

及川 ほかの本はかなり編集者が校正してるのかとか(笑)。いろいろ考えちゃいますよね。あと、突貫工事でやったせいもあるのかなって。

──なるほど。内容的には、ノンフィクション的な形式にしたことでボロが出たのかなってちょっと思いましたけどね。さくら夫人のインタビュー本だったら成立したと思うんですよ。それなら夫人の言い分だけ載せて、第三者を取材しなくても問題にはならなかったのに。

及川 そうなんですよ。ノンフィクションにしては裏取ってないし、取材してないし。

──あまりにも一方的すぎるっていう。

及川 ね。

──ただ、百田さん自身はすごいピュアな人なんだろうとは思ってて。

及川 あの人はすごくピュアだと思います。ピュアな、人のいいオッサンだと思います。それが、してやられたんじゃないですかね(笑)。そう思ってます、私は。

──同感です! ボク、百田さんと会えば仲良くなれる自信はあるんですよ。

及川 私も会えばそんなにケンカしないと思います。

──言っちゃえば、ネトウヨ的な思想をあれだけ素直に信じるっていうのも、そういうことだと思うんですよね。「こんなことがインターネットに書いてあった! これを隠そうとするマスゴミや日教組は許せない!」みたいになる人というか。

及川 そうなんですよね。「許せん!」とかって言う人なんで、だから単純なんですよね。

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