「インドネシア剣士」武道館へ ・・・世界に普及する剣道 (2/3ページ)
道具の入手は、インターネットを使った個人輸入に頼っています
そう語るのは、日系企業駐在員の日高輝久氏。インドネシアでの指導経験も豊富な剣道家だ。
道具の値段は、一番いいものだと一式で数十万円ほど。さすがにそれは高嶺の花ですから、ほとんどの場合は初心者向けの低級品を買います。値段は日本製で2、3万円。中国製のものだとその半値です
それを踏まえて日高氏は、こう続ける。
インドネシアは、労働者の賃金が月2万円ほどの国です。そこからでる可処分所得でやりくりしなければなりません。竹刀も仲間でまとめ買いして輸送費を浮かすとか、とにかく安く済ませるためにいろいろなことをやっています
ここで付け加えておくべきことがある。インドネシアは今、自国通貨がドルに対して非常に安くなっているということだ。外国製品の実質的な値上がりが、剣士たちの背中にも容赦ない負荷をかけている。
だがしかし、剣道の道場には道具のストックがいくつもあるはずである。個人の所有が無理なら、道場で借りればいい。日本の道場でもそうしたことはよくある。
ところが日高氏は、
道場でも、道具はなかなか揃えられません
と、語る。
■ 不足する道具
前述の通り、低グレードの道具は安い値段で買える。しかしそれと引き換えに、耐久性はやはり値段程度だ。
道場で道具を数多く揃えるとしたら、個々の品はどうしても廉価品を選ぶことになる。それらは剣士たちの猛稽古で、すぐにくたびれてしまう。真面目な若者が汗を流せば流すほど、徐々に稽古が困難な環境になってしまうのだ。
5年ほど前、日本から中古の防具を頂きました。多くはないながらもまとまった数が入ってきましたから、それをジャワ島各都市の道場へ配分したのです。ただその時に頂いた防具も、今では消耗しています
武道はカネがかかる。これは残念ながら、現実問題だ。
しかしそのような環境だからこそ、創意工夫が生まれる。日高氏によれば、剣士たちは練習用の着物を自作するということらしい。日本から一着だけ取り寄せ、解体して型を取る。