1984年グリコ・森永事件 元刑事・北芝健が読み解く「未解決事件現場」前編 (3/8ページ)

日刊大衆



一人の男が車に近づき、乗り込んで発進。そして車がエンストを起こすと、追尾した捜査員が男を拘束する。だが、それは犯人ではなかった。
犯人は"運び屋"を調達していたのだ。男性の証言によれば、指定場所から約2㎞離れた淀川堤防で車を停めて恋人といたところを襲撃されたのだという。そして犯人は、男性に焼肉店まで行くよう指示すると、一緒にいた女性を別の車に乗せ、誘拐した。ちなみに、この女性は枚方市の光善寺駅前で解放されている。
「犯人は3人組だといいますが、襲われた男性は元自衛官なんです。相手が武器を持っていたとしても、並の男3人だったら、まず負けないでしょう。だから犯人たちも、なんらかの訓練を受けた人間でしょうね」

犯人が一向に逮捕されないことで、警察に対する国民の不満も高まっていた。そんななか、警察は徹底的な捜査を展開し始める。いわゆる"ローラー作戦"だ。
「事件が起きているのが、茨木、摂津、寝屋川、高槻など大阪府北東部に集中していたことから、この地区の80万世帯を一軒一軒しらみ潰しに聞き込みしたんです。でも、警察の威信をかけた捜査も空しく、犯人は見つかりませんでした」

そんななか、6月24日の新聞各紙に、グリコはイメージ広告を出す。
「ともこちゃん、ありがとう。グリコはがんばります」
少女から届いたグリコを激励する手紙を掲載し、それに応える内容だった。その2日後、新聞各社に「江崎グリコ ゆるしたる」と書かれた挑戦状が届いた。
突然の"休戦宣言"だが、事件はこれで終わらなかった。以後、犯人は丸大食品、森永製菓と標的を変えて食品会社を脅迫していった。

特に森永は、実際に青酸ソーダ入りの商品を店頭にバラ撒かれた。
「どくいり きけん たべたら死ぬで」
これまで青酸入りの菓子が送りつけられたことはあったが、店頭で発見されたのは初めて。これを手始めに、兵庫、大阪、京都、愛知のスーパーなどで1週間に13個の青酸入り森永製品が見つかった。
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