週刊少年ジャンプ『ベストブルー』連載打ち切りの理由を考察「競泳を漫画で描く難しさ」 (5/5ページ)

デイリーニュースオンライン

 というわけで、まとめますと……

1、競泳の何が魅力なのか全然分からないよ!(主人公の心情が掴めない)
2、みんな半裸でキャップ被ってるよ!(キャラクターが識別できない)
3、大会中に色んなドラマがあったけど、要するに力いっぱい泳げばいいだけじゃないの!?(競泳における他者の存在意義が分からない)

 といった具合で、競泳という競技を読者に伝えきれなかったことで、付随してキャラクターが輝かなかったのが最大のウィークポイントかと考えます。

 しかし、2の判別問題はともかく、1と3に関しては、主人公に競泳という競技自体の魅力を語らせたり、競泳の競技性をもっと魅力的にアピールするなどして対応できた気もします。ちょっと題材の難しさに挫けちゃった印象を受けますね……。

 ただ、作者の平方先生的にも今作はあえて未踏のジャンル(スポ根)にトライしてみての結果のようですので、次はまた『キルコさん』や『31HEROES』のような先生の得意とする土俵で戦って欲しいなーと思います。

著者プロフィール

作家

架神恭介

広島県出身。早稲田大学第一文学部卒業。『戦闘破壊学園ダンゲロス』で第3回講談社BOX新人賞を受賞し、小説家デビュー。漫画原作や動画制作、パンクロックなど多岐に活動。近著に『ダンゲロス1969』(Kindle)

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