吉田豪インタビュー企画:紀里谷和明「『CASSHERN』ファンもいるのに隠れキリシタンみたいに…」(1) (1/5ページ)

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吉田豪インタビュー企画:紀里谷和明「『CASSHERN』ファンもいるのに隠れキリシタンみたいに…」(1)

 プロインタビュアー吉田豪が注目の人にガチンコ取材を挑むロングインタビュー企画。今回のゲストは映画監督、カメラマンの紀里谷和明さん。映画監督としての3作目である『ラスト・ナイツ』(現在絶賛公開中!)で、クライヴ・オーウェンやモーガン・フリーマンという超一流役者陣を迎えてのハリウッドデビューを果たした紀里谷さんに特大ボリュームのロングインタビューを敢行! 第1回の今回、まずは、なぜか嫌われてしまう紀里谷さんの人間性に迫ります!

頼まれた仕事は全部やろうと思った

紀里谷 (元気に)よろしくお願いします、紀里谷です! 今日はありがとうございます! 吉田さんは日本で一番のインタビュアーという噂ですからね。

──余計なプレッシャーかけないでください(笑)。ボクは紀里谷さんに関しては何か余計な噂を聞いてたわけじゃないんですけど、ここ最近でイメージが相当変わったんですよ。

紀里谷 最近のいろんな露出でですか?

──そうです。

紀里谷 ホントうれしい! もうちょっと早くこういうことしとけばよかったね。

──正直言って、気取った雑誌にしか出ない人っていう印象でした。

紀里谷 ああ! そうじゃないんですけど、そうなっちゃってたんですよねー。だって裏方ですから。

──もともとカメラマンですからね。

紀里谷 カメラマンだし監督だしね。客商売っていう意識がなかったもんですから、そういうところがいかんですね。これは理解しました。そういうこと言ってられないんだって、今回ホントに。

──まさか『週刊大衆』や『アサヒ芸能』にまで出ると思わなかったですよ(笑)。

紀里谷 ハハハハハ! だからそういうところも、こっちから率先して行かないとって思うようになりました!

──なんでそこまで変われたんですか?

紀里谷 なんかね、やっぱり作品までもがそういうふうにしてジャッジされちゃうわけですよ。作品は自分の子供みたいなものなんで、親が嫌われると子供まで嫌われちゃう的な。

──「あそこの家の子とは遊んじゃいけません!」パターンですね。

紀里谷 そうなると非常に嫌だってことに気づいたんですよ。

──作品もいけすかないイメージになっちゃう、と。

紀里谷 そうそう、子供までもがそういうふうに見られてしまったら非常によくない、かわいそうだという思いがありまして。だからホントにそこは、メディアに出て話をすることが嫌いなわけじゃないんで。ただ、やっぱり自分は裏方なんだって意識は常に常にあったもんですから、あんまり出ていかなくてもいいもんだと思っていたんですけども、やっぱりちょっと違いましたね。

──これだけ出たら、手応えは相当あったと思うんですよ。

紀里谷 それが、自分としては常日頃、友達付き合いにしても人付き合いにしても、なるべくフラットにやってるつもりなんですよね。そもそもそういうふうに生きてるんで、逆にそう言われてハッとする、みたいな。たとえば『しくじり先生』に出て、「イメージ変わりました!」とか言われて、「え、逆にそういうふうに思ってたんですか?」っていう。

──本人としては、ただ素を出したようなものだったけど。

紀里谷 そう、だから俺のこと知ってる人は「いつもどおりじゃん」って言うわけですよ。だから、驚きはありました。どっか鈍感なんでしょうね。

──全然気付いてなかったんですか!

紀里谷 そんなふうに思われてるんだとか、人がそういうふうに取るんだって思わないんですよね。

──テレビもちゃんとした番組にしか出てないイメージがありました。

紀里谷 こちら側で選んでるつもりもなかったんですよ。『GOEMON』のときは『情熱大陸』とかに出させていただいて、それは宣伝チームが持ってきた仕事なんで「はい、わかりました」って言って出ただけだから、そんな意識がないんですよね。

──それが『アウト×デラックス』に出たぐらいから、イジッても大丈夫な人なのかなって思えてきたんですよ。

紀里谷 そうそう! 『芸能人格付けチェック』に出た頃、人から頼まれた仕事は全部受けようって決めたんですよ。理由はよくわかんないんですけど、人から頼まれたこととかお願いされたことは全部やろうって決めて、そしたらGACKTからいきなり連絡あって。

──『格付け』といえばGACKTさんですからね。

紀里谷 あ、そうだ。それを新年の抱負にしたんだ。「今年は毛嫌いしないで頼まれたお仕事は全部やる」って

──それまでは結構選んでたんですか?

紀里谷 選んでたし、あんまりそういうところに出たくないっていうのがあったんですよね。そしたらいきなり『格付け』のオファーが来ちゃったもんだから、これは神がそう言ってるんだと思って出て。それからマツコさんの番組もオファーが来たから番組すら観ないで、出ちゃっただけなんですけどね。

──そしたら、なんとなくバラエティでもイケるんじゃないかっていう感じになってきて。

紀里谷 だから、イケるイケないって感覚が俺のなかにないんですけど、いまいっぱいテレビに出させていただいてすごい勉強にはなってるんですよね。マッコイ斉藤さんっていらっしゃって、その方とも友達なんですけど、テレビの話とか聞いてるとおもしろいなって。

──紀里谷さん自ら宣伝活動をしているわけだから地上波効果も感じるんじゃないですか?

紀里谷 そうですね。やっぱりどうしてもそこをやらなきゃいけないっていうのがあって。いま真逆というべき路上のビラ配りもやってますけど、そのコンビネーションだなって思いますよね。最初はビラ配ってても誰も気づいてもくれないし、「いらない」って反応なんですよ。それがテレビに出てビラ配りやってると、向こうから「ちょうだいちょうだい!」って来てくれるから、テレビってすげえなと思いますよね。

──ビラ配りも相当やってますよね。

紀里谷 とにかく空いてる時間は全部これに突っ込むって決めてますんで。

──インタビューの露出も異常なレベルだと思いますよ。

紀里谷 そうですか? それを自分がわかってないんだけど。

──スタッフ いや、異常です。

紀里谷 あ、そうなんですか(笑)。でも、そうやってインタビューしていただけて取り上げていただけること自体すごくありがたいなと思いますし。だって一番最初のほうってテレビのパブを取るのもすごいたいへんだったしね。

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