朝日新聞の誤報に限らず新聞メディアのやらかしについて思う|やまもといちろうコラム (1/2ページ)

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Photo by Pixabay(写真はイメージです)
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 山本一郎(やまもといちろう)です。情報を扱う者として、これは事実だと思って記述し公表してみても、時が経つにつれて実は違ったとか、情報が古くなって適切ではなくなったという経験は多々あります。悲しいことですけど、メディアの人間というのはそういう経験を繰り返して反省して前に進んでいく一方、ときとして「誤報もまた性」と割り切るなどして慣れてしまうこともあります。

 だからこそ、特定の発信源からの情報を100%信用して鵜呑みにすることや、常識や経験に照らし合わせて物事の真贋を見抜くリテラシーを見抜きましょうといった、情報に対する態度の啓もうが大事だという建前が跋扈するわけなんですけれども、やはり報じる側の立場がいろんなものを曇らせてしまうということは起き得るわけです。

 つい先日、『朝日新聞』が豊洲問題で衆議院の質問に立った足立康史衆院議員(51)の件で、安倍晋三首相(62)が政局の運営について「維新は利用できるからいい」と語ったとしたうえで、首相補佐官の長谷川栄一さん(65)から足立さんにメールで豊洲問題を質問するよう促したと報じました。

「都議選を3カ月後に控え、自民と対決色を強める小池百合子都知事を追い込む質問を求める内容」であってほしいという一件をもって、首相・官邸サイドが維新を動かしているとする内容です。

首相「維新は利用できるからいい」 側近に明かした本音

 ところが、この報じられた内容については、当の足立さんからの要請を受けて元経済産業省の宇佐美典也さんが知己の生田與克さんを通じて足立さんに情報提供をしていただけであることが暴露されてしまいました。

 もちろん、この一件をもって『朝日新聞』のいう「官邸が維新に委員会で豊洲問題の質問を依頼した」ことは全否定されるわけではないのですけれども、ことの推移の事実を並べてみると途端に『朝日新聞』のこの特ダネが霞んで見えてしまいます。

 その意味では、今回の『朝日新聞』に限らず読売産経毎日日経も何らかの情報ソースの意図を持って動く、というバックグラウンドは常に想定しながら読者は情報を摂取しなければなりません。例えば、先日このような記事がありました。

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