介護疲れと生活苦で母を殺害。温情判決が下され、再起誓うも8年後に自殺。 (7/7ページ)

心に残る家族葬

例えば昭和の人気バラエティ番組、『オレたちひょうきん族』(1981〜89年)の、「懺悔の神様」役で親しまれていたタレント、ブッチー武者は自ら立ち上げた劇団・ZANGEでAの「介護殺人」をベースにした舞台を2014年9月から今日まで、演じ続けている。ブッチーは「ぼく自身、身近な人が認知症になるまでは人ごとでした。しかし、本当は地域のみんなが互いに協力しあっていける社会づくりが必要な問題です。だからこそ、この舞台を若い人に見てもらいたいです」と語っていた。事件を風化させたくないというブッチーの思いは、芝居を通して、Aや母親を含む、介護の苦労のただ中にいる多くの人々のことを「他人ごと」と受け止めてきた観客を刮目させる力を有している。それこそまさに、この世に「形」として生きた痕跡を残さなかったAが、永遠に生き続けていることを表している。

「介護疲れと生活苦で母を殺害。温情判決が下され、再起誓うも8年後に自殺。」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る