五輪ボランティアは問題山積み? 国際ボランティア学会長が説くあるべき形 | 「結局どうなの? 五輪ボランティア」第4回 (4/8ページ)
今回の東京オリンピックで、若い人たちや学生さんが、自分が持っている時間を使いたい、あるいは自分でちょっと英語ができるから役立てたいと、そういう夢を持ってボランティアに参加できる環境を作るのが大人の役目だと思っています。
今は批判ばかりで、ボランティアに参加するのにも大変な覚悟がいる。そういう環境を作ってしまっているのは大人の責任です。
――確かに、批判ばかりの報道もあって、参加したい人にとっては肩身が狭い感じもあるでしょう。
今の形は決められた期間をフルでやることと決めているじゃないですか。今のやりかたは事務局が動きやすいように時間設定して枠を決めて、その枠に当てはまるボランティアだけでいいってしてるんですね。それを逆転しなきゃいけない。
ボランティアを呼ぶじゃなくて来てもらう形にしないと。それで来てもらったボランティアに自主性・自発性をもって動きやすくする環境をいかに作るのかが、事務局の役目でしょう。
医学部とか看護学部の学生だと実習とかで授業を動かせないわけですよ。休めないですよ。そのかわり夕方からは空いてる人もいるでしょう。そういう人に夕方から来てもらう。逆に朝なら行けるといこともあるし、曜日によってとかいうのもあるでしょう。
全部を一人ずつに合わせろとまでは言わないですけれど、学部や学生によって時間を空けやすいパターンがあるわけですから、そういうのに対応してあげないと。
――文部科学省から通知のあった、授業日程をずらして参加しやすくするという方法については、良い方法だと思いますか?
思いません。むしろあんな形でお上から通達する必要はないと思っています。
公休扱いにするってことを大学が決めればいいだけです。大学が東京オリンピック・パラリンピックをサポートするんだったらそうするし、関係ないとする大学だったらそうするのも大学の自由です。